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1.特例市指定の申し出について
2.
次期行財政改革に係る
行財政改革懇話会からの
意見書について
総務部長から,
別紙資料に基づき,次のような報告があった。
[
報告概要]
特例市指定の申し出について,去る10月30日に
吉村市長が自治省を訪れ,
西田自治大臣に他の19市とともに申出書を提出し受理された。
資料として配付しているのは,当日大臣に提出した申出書の写しである。
その後の経過としては,12月12日に閣議決定され,12月15日に「特例市の指定に関する政令」が公布された。政令の施行は平成13年4月1日で,この日から特例市に移行することになる。
それまでに,移譲される事務について県と十分に打合せを行い,研修や引継ぎを受けて,事務の執行に遺漏のないように準備を進めている。
また,特例市移行に伴う条例等についても現在準備を進めている。さらに,特例市の指定を受けることについて市民の方々へ周知するため,11月1日に市のホームページ「なんたっす山形」に
情報ページを開設するとともに,先週からは,
政令公布に併せて
中央駐車場の広告塔に懸垂幕を掲げてPRを図ったところである。
[
報告概要]
去る11月2日に,山形市
行財政改革推進懇話会から山形市の
次期行財政改革のあり方についての
意見書が市長に提出された。
現行の山形市
行財政改革大綱の
推進期間は,今年度までとなっている。このことを受けて,平成13年度からの
次期行財政改革の指針として
行財政改革大綱を見直し,新たな
実施計画のもとに,さらなる改革に取り組んでいくことは,これまでも報告してきたところである。
このたびの
意見書は,
次期行財政改革を進めるに当たって,広く市民を代表する方々からの意見をいただくために委員の方々から本年5月から半年間にわたって6回の審議をいただき,取りまとめられたものである。
意見書の内容は3つの大きな標題で取りまとめられている。
1つ目は『新たな
行財政改革へ向けての基本的な考え方』で,「不断の
行財政改革の必要性とその背景」と「
地方分権社会にふさわしい
行政運営の構築」の2つの項目にまとめられている。この主な内容は,今後の
行財政改革に当たっての視点として,①これまでの改革をさらに強化前進させ,
行財政運営全体に
経営感覚を取り入れた改革を推進すべきことの指摘。
②地方分権社会を見据え,市民と行政の新しい関係を視点とした改革を推進すべきことの指摘。
2つ目の標題は,『
現行改革を踏まえて強化すべき改革の指針』である。この中には5つの指針が提案されている。それは,「
行政評価システムの確立」,「行政の
スリム化と
効率的行政運営の推進」,「市民と行政の新しい関係の構築」,「時代に見合った
市民サービスの拡大」,「健全な
財政運営の確保」である。いずれの項目も今後の改革に当たっては,重要な項目であると認識している。
3つ目の標題は,『
行財政改革のさらなる前進に向けて』である。その内容は,新たな改革の推進に当たっては,具体的なプログラムを策定して臨むべきこと。また,
住民代表等の参加のもと助言と協力を目的とした
懇話会等の設置が望ましいこと,が附言されている。
以上が
意見書の概要であるが,提言いただいた内容を最大限尊重して,市全体で
次期改革の内容を検討し,新大綱を策定していきたいと考えている。なお,新大綱は明年3月議会に提示できるよう現在策定の準備を進めている。
3.新
重点プロジェクト案について
4.新世紀やま
がた創造イベントについて
企画財務部長から,
別紙資料に基づき,次のような報告があった。
[
報告概要]
新
重点プロジェクトの案については,大枠の案を有識者への
意見照会を行い,
基本的目標等について再整理を行うとともに,次期3カ年
実施計画策定作業の中で
重点事業を整理し,さらには,今後5年間の中で着手すべき
重要課題を盛り込んでまとめたものである。今議会での意見も伺いながら,年度中に策定し,今年度中に市民へ公表していきたいと考えている。
表紙に記載している目標は,当初,「
環境先進都市の形成をめざして」としていたが,簡潔に表現するため「
環境先進都市をめざして」と変更した。
目次では,全体構成としては,第1章で策定の趣旨を述べ,第2章で「
環境先進都市」をめざして
市政運営を進める
取り組み方を説明し,第3章では
個別プロジェクトを7項目設定した。
第1章,策定に趣旨は,先に報告した大枠の内容と大きく変わったところはない。
第2章においては「
環境先進都市」としてめざす目標の内容をより明確に記載している。「(1)
環境先進都市とは」の項では,「環境」を
自然的環境及び
社会的環境を含む広いものとして捉え,「山形市の豊かな環境を実感できる」,「山形市の様々な
環境資源を活かし,次代へ継承する」,「山形市の環境の保全・改善を効果的,効率的に進める」という
取り組みの中で,「生まれて良かった,住んで良かった,訪ねて良かった」と思える
まちづくりを進めていくものとして,
環境先進都市の内容を表している。
これら
環境先進都市をめざして,時代の変化,潮流に的確に対応するため4つの視点で施策の展開に取り組むこととする。
「(3)新
重点プロジェクトの構成図」は,新
重点プロジェクトの体系を図で表したものであり,「生まれて良かった,住んで良かった,訪ねて良かった」という
環境先進都市をつくるため,7つの
個別プロジェクトを4つの視点をもとに進めていくというものである。
個別プロジェクトは「
プロジェクトの目的」,「施策の体系」,「
基本的施策」,及び
基本的施策を進める「
重点事業」の構成になっている。
はじめに「1 のびのび
環境プロジェクト」は,
子育て環境と
教育環境を対象とし,「安心して子どもを生み,育てることができる環境をつくる」,「次代を担う
子どもたちが健やかに学び,育つ環境をつくる」の2点を目的として掲げた。
子育て環境については,「子育てについて一人で悩まない環境をつくる」,「必要な場合に子どもを預けられるようにする」,「子育てに伴う
経済的負担の軽減」という施策を掲げ,「
子育て支援ネットワークの形成」などの
重点事業としている。一方の
教育環境の面として,「心の教育の推進」,「情報化・国際化への対応」,「安全で魅力的な
学校環境・ゆとりのある
教育環境」という施策を掲げ,
不登校児童生徒対策や
老朽校舎改築などを
重点事業とした。
次に,「2 いきいき
長寿環境プロジェクト」については,高齢者が住んで良かったと思える
環境づくりをめざし,「安心して生活を営む環境をつくる」,「生きがいをもって社会参加できる環境をつくる」をこの
プロジェクトの目的とした。高齢者が安心して生活を営む環境としては,
介護保険を柱に据え,高齢者の
社会参加環境向上のため,
都市基盤や施設の
バリアフリー化を促進する「福祉の
まちづくり」を進めていくことにしている。
「3 ゆとり・うるおい
環境プロジェクト」については,山形市を包む豊かな緑・
水環境,及びそのふところにつつまれる
集落地域を対象とし,「豊かで爽やかな
自然環境を保全し,良質な
生活環境をつくる」ことが目的である。
水環境にかかる施策としては,
排水対策事業,
松原浄水場の新築及び
防災情報基盤などを
重点事業としている。「
環境負荷の軽減」については,
地球温暖化対策の施策を進めるとともに,新
清掃工場の整備などを
重点事業とした。また,身近な里山や森林などの「地域の
自然環境の保全・活用」として,緑環境の保全に加えて,適切な活用の視点も掲げた。「集落の
地域コミュニティ活性化」については,適切な
土地利用転換による
定住環境の創出と
生活環境基盤整備を
重点事業としている。
次に,
中心市街地を対象として,「4
まちなか環境プロジェクト」を掲げ,「魅力ある
都市空間をつくる」を目的とした。
中心市街地の
基盤充実として,山形駅西と十日町の
土地区画整理事業,及び山形駅
東口ペデストリアンデッキの整備を
重点事業とした。
中心商店街の活性化については,ハードの面として,
七日町地区再開発の推進,ソフトの面として,意欲のある
新規出店や開業への支援などの
活性化施策をあげている。また,
中心市街地への
アクセス強化のため,ハード・
ソフト両面にわたる
交通環境の向上をあげている。また,城下町の
歴史的資源を活用した
中心市街地の
魅力向上のための施策を掲げている。
「5 産業はつらつ
プロジェクト」は,
市民生活の安定の基盤である
産業支援,とりわけ,全体の産業の基礎となる農業や製造業など,さらには山形の魅力を引き出す観光を対象とし,目的については,「意欲を持った
事業展開を促進し,
産業活力の再生と競争力の向上を目指す」としている。また,
基本的施策としては,「新技術・新製品の
開発支援」により,それぞれ意欲的な事業者をターゲットとした重点的な
施策展開を進めることとした。さらに,
観光振興の面では,
都市型観光と
通年観光の推進を重点的に進め,山形らしさを伝える
取り組みを施策とする。
「6
交流環境プロジェクト」は,活発な交流が展開される
環境づくりを目的としている。その基本的な施策として,「ふれあいと感動を創造する」
環境づくりをかかげ,
山形国際ドキュメンタリー映画祭や
国民文化祭などの世界的・全国的な
イベントを開催し,山形市のホスピタリティ,もてなしの心の向上を図っていく。
国際理解の面では,真に
国際感覚を身に付けられるような
取り組みの一つとして,
海外友好姉妹都市との
相互留学を進めることとしている。また,交流を支える基盤として
高速道路整備や仙山線の
機能強化,21世紀にふさわしい交流のまちとしての
山形ニュータウン整備,
スポーツ施設の整備を
重点事業とした。
最後に,「7 共
創環境プロジェクト」は,「市民が
まちづくりの様々な場面に主体的に参加し,
地域主催を確立する」ことを目的としている。「市民の憩いが市政に活かされる
環境づくり」を進めるために必要な,
情報提供基盤の充実と
男女共同参画プランの推進を図るとともに,効果的・効率的な
行政運営を進めるため,
行政評価システムの導入や
広域行政の推進,中核市の指定を目指した
取り組みを進めるなど,
行政機能を充実・強化していく施策を掲げた。
以上が,新
重点プロジェクトの案の概要についての報告であるが,今議会の意見や各部からの若干の
手直し等も反映した形で
最終決定する予定であるので,内容が少し変わるところもあると思われるので,了承をいただきたい。
○議員 今,各企業が
国際基準であるISOの取得が不可欠であるということで,非常に関心を示している。そのような中,
ISOシリーズの
認証取得への
支援推進について,「産業はつらつ
プロジェクト」の中で
重点プロジェクトとして明記して取り組む考えはあるか。
○
企画財務部長 このことについては,今回の
重点プロジェクト案を策定するに当たって,話は出た。明記はされていないが,国の方で
IT産業ということで,いろんな形で説明がある。それらの中で,順次検討していきたい。
[
報告概要]
11月16日に開催された「伝承の火・リレー」には640名余りの多くの市民の参加をいただき,沿道には数千名の観衆を集め,盛会のうちにリレーを終了した。この伝承の
火リレー以後,千年和鐘の火入れや
取り上げ式,山形駅など3カ所の新世紀の点灯式など,テレビ・
新聞報道等により
イベントの知名度もアップしてきている。
この伝承の火を火種として火入れを行った「千年和鐘」も姿を現し,この鐘を中心に「
カウントダウン2001
イン山形」の
イベントが実施される。この
イベントは,新千年紀,新世紀のスタートを市民総参加で祝うとともに,次代に残すべきものを見つめなおし,新たな山形を創り出すきっかけとするもので,山形市の新世紀やま
がた創造イベント実行委員会と山形県の山形県新
千年紀記念行事実行委員会,
霞城セントラルオープニングイベント実行委員会が協調して実施するものである。
「千年和鐘」の除幕式を12月31日午後7時30分から実施し,山形県出身のミュージシャンによる
ミニコンサートや若者に人気の
パラパラ等の
イベント終了後,
カウントダウンセレモニーを市長及び議長,
山形県知事らの出席のもと実施し,
電撃ネットワークの
スペシャルライブ,ヒカリ・キラリショーで1月1日の午前2時に終了する予定である。
イベント当日の
交通計画については,山形駅
西口Dブロックに
無料駐車場を設け,また
山形県庁の駐車場から
無料シャトルバスも運行し,あわせて,JRの
臨時列車も運行していただき,参加者の交通の便を確保している。
なお,この
イベントは市民総参加でお祝いするということで,パンフレットを山形市全世帯へ配布した。なお,野外での
特設会場での開催であり,会場には屋根もないことから相当な寒さが予想される。また,
イベントの性格上,イスも用意できないのでご容赦くださるようお願い申し上げる。
5.
ごみ処理施設建設用地検討会の選考結果について
環境部長から,
別紙資料に基づき,次のような報告があった。
[
報告概要]
新
清掃工場の
建設用地選定については,
事業主体である
山形広域環境事務組合において,今年7月「
ごみ処理施設建設用地検討会」を組織し,
選定作業を進めてきた。
用地検討会は公平・公正を期すため,2市2町の広域圏から推薦された有識者,
環境衛生団体の代表,
産業団体の代表,その他住民の代表15名で構成され,公開の場で会議を行ってきた。会議は,平成12年8月10日から11月27日まで5回開催されている。この間,
現地調査や「
候補地別概況に基づく評価」及び「事業費に基づく評価」を行うとともに,
候補地周辺住民の
プレゼンテーション等も実施し,
総合的観点から絞込みを行っている。
平成12年12月5日に「
ごみ処理施設建設用地検討結果報告書」が,
広域環境事務組合の管理者に対し提出された。
用地検討会では
明治地区,
村木沢地区,半郷地区,
立谷川地区,
大郷地区,
中屋敷地区,
隔間場地区の7カ所についての検討を行っている。
これらの
候補地についての
検討会での
評価手法は,
清掃工場立地に必要な事項として,
①住民理解度,②収集・運搬,③現況(地形・
地質),④周辺条件としての住宅の接近性や
給排水設備の
整備状況,⑤取得の容易性を
評価項目とし,この項目を3段階に数値化するとともに,項目別に重要度を考慮し,
加重点方式による
数値評価を行っている。
特に
住民理解度及び
搬送効率に主眼を置き,各委員の
トータルを基本に審議を重ね,さらに事業費に基づく評価を併せて行い,
用地検討会委員による
順位付けを行う等,総合的に
候補地の比較を行っている。なお,
用地検討会における各
候補地の
現地調査をも実施している。
次に検討結果であるが,
用地検討会からは半郷地区,
中屋敷地区,
村木沢地区の3地区が適当との報告が行われている。
この3カ所が選定された理由は,半郷地区については,①半
郷清掃工場の
既存敷地が将来にわたって活用できる,②半郷地区住民の理解があると判断される,
③収集効率に優れているというものである。次に,
中屋敷地区は,①位置的に広域圏の中心にあること,②収集・運搬等の
収集効率の面で最も優れている,③住宅との接近や
文教福祉施設への影響が小さいことによる。次に,
村木沢地区は,①地区の住民の理解があると判断できる,
②収集効率に優れている,
③山間地域であり,住宅に関する影響は余りないと判断される,というものである。
選考から漏れた他の
候補地について主な評価は,
①隔間場地区は地区民全体が強い反対である,
②立谷川地区は17社の
会社移転や
卸売市場との関係により好ましくない,
③明治地区は
搬送効率が良くない,
④大郷地区は
最終選考まで残ったものの,他の3
候補地に比べて
搬送効率が良くない,というものである。
候補地の
最終決定は,今後,
広域環境事務組合の
管理者会議に移るが,
用地検討会から次の意見が付されている。
①ごみ処理施設は長く地区の理解と協力により運営されるものであることから,今後とも地区との対話を深められること,として改めて「地元の意見を聞きながら
最終選定を行うよう」との意見である。
②施設計画に当たっては,当
検討会の審議における委員の意見を可能な限り尊重されること。
最終的な
候補地は,今後,
広域環境事務組合の
管理者会議で検討を行い,平成13年3月末までに決定される予定になっている。
○議員 半郷地区では40年の長きにわたって,山形市のごみを引き受けてきた。しかし,
検討会の
評価項目の中には市の
ごみ行政に対する貢献度の評価が記載されていないが,如何なものか。
○
環境部長 半郷地区の貢献度については,誰もが認めているものであろうと思う。今後,
管理者会議でこういった点も,
点数評価にはならないが
定性的評価の中で議論されるものと確信している。
○議員
候補地別概況に基づく評価結果で位置付けなっている順位は,いろんな検討の結果の順位と理解していいのか。
○
環境部長 第2回の地区の
プレゼンテーションなども行った後で,各委員のそれぞれが評価をしたが,それを集計したものがここに載っている内容である。当然これは各項目毎,各
候補地毎に比較検討し微調整が図られる内容である。よって,
総合トータルで確かに
村木沢が一番点数が高いということになっているが,これらについてそれぞれ
検討会で協議されて,その結果,最終的に微調整を図ると同時に,
順位付け等も行われたわけである。そういった状況で,必ずしも点数にとらわれた
総合評価ではないという結果になっている。
○議員 いろんな面から検討してこういう評価の点数になって
順位付けなったと私は理解している。そういう中で,1位が
村木沢,2位が中屋敷,3位が大郷という結果が出て,なおかつ半郷が入って大郷が抜けるというのは非常に理解しにくい。
新聞報道によると,
検討委員の挙手によって決定されたとなっているが,この評価結果と
候補地を3カ所に絞ったという整合性が理解できないので,もう一度説明をお願いする。
○
環境部長 この
総合評価を基礎にしていろいろ議論された。それで,各
候補地についての点数はそれぞれこの表にあるとおりであるが,それぞれの
候補地の各項目毎に
順位付けをやろうということで
検討会で協議をされたようである。その結果,各項目毎の1番に指名された内容,その数の一番多かったところが半郷であり,中屋敷であったという結果である。そういうことで,
検討委員の評価の結果を集計したもので,最終的な
候補地の選考になった。
○議員 この
評価項目で
順位付けをして点数制にしているんでしょう。その結果がこれだと理解するが,なおかつ改めて
順位付けとはどういうことなのか。
○
環境部長 この表にある
順位付けは,点数に基づいてただ順位を付けたというものであり,この内容について各
候補地毎,各項目毎にそれぞれ
検討会で協議された。その結果に基づいて改めて各
候補地の各項目毎の
順位付けを,
検討会全体で再度協議をしながらやっていった。これは公開の場でやってるわけであるので,そういう経過を経てこの表とは少し違った内容のものが出たということである。これは,統計の採り方と申しますか,数字的な
マジックもあるので,その点を十分考えながら協議されて最終的に評価がされたということである。
○議員 数字的な
マジックなんていうのはわからない。もっとわかるようなことを言ってもらわないとわからない。
○
環境部長 これは私が申し上げたわけではなく,
検討会の委員長が申されたことである。本来であると,この表を見ていただいてお気付きなると思うが,一つの項目,例えば,
住民理解度で
明治地区が3点の評価点のところ11人いる。
村木沢地区についても9人,あるいは半郷地区については2点のところに11人というのがある。全体の委員が15名であるので,各委員の投票した点数を代表点としてその項目の点数とするというようなことで,簡素化された集計がなされれば,先ほど説明したようなことが明らかになってくる。それで,この項目毎について,各
候補地毎に
検討会で協議をし微調整をやった結果,若干の点数の変化が出たということである。それの表はこの報告書には添付されておらず,会議録の中に明確に表示なっている。
○議員 半郷がこの
総合順位では4番,大郷が3番になっているが,
候補地は3カ所,大郷が抜けて半郷になった大きな要因は何か。
○
環境部長 半郷地区についての選定の理由は,先ほどこの報告書にもあったような内容のとおりである。
大郷地区が
候補地からはずれたその内容について申し上げますと,ジャンクションの間は
高速道路で隔離されたような区域になるわけであり,この中への
進入道路,これは今のところ未整備の道路がかなり多いということで,その
アクセスそのものが今の段階では未整備な状況であることや,広域圏の比較的北部に位置するということで
搬送効率が悪いということが評価されて,最終的に
村木沢と大郷がだいぶきっ抗したが,委員長の裁量で,最終的に
総合評価点の高かった
村木沢を選んだということで,この3カ所が選ばれたということである。半郷と中屋敷は最初に点数の評価がよかったということで選ばれて,最終的に
村木沢と大郷が残ったわけであるが,
総合評価の点では
村木沢の方が高かったということで
村木沢ということで3カ所が選ばれたという状況である。
○議員 隔間場が当初入っていたが,反対ではずれたとのことだが,反対の理由がどういうことであったのか。また,中屋敷については,私も2回目か3回目の
検討会を傍聴していたが,その時は西山形の
振興会長の
意見陳述があったが,まだ
地域住民に落としておらず,落とせという文書も来ていなかったということであり,未だに下に落としてないということは問題外ということで没になったなと思っていたのが,後で浮上してきたというのはどういうことなのか。
○
環境部長 隔間場地区については,
本沢地区の12の
町内会長さんの全員の連名で反対の陳情があったということであるが,それに先だって,各地区の各団体で協議して,その結果を受けて全
町内会長連名で反対をするという反対の陳情があったということが一つ。それから,
候補地である
砂利採取場であるが,6ヘクタールの面積が十分確保されるだけの広さがあったわけであるが,残念なことに
アスファルト工場が進出して,8月頃に
現地確認に行ったときにはもう既に6ヘクタールの必要な面積が確保できないという状況にあった。このようなことから,
隔間場地区については,反対を押し切ってまで進出することはできないし,実際に
必要面積も取れないということからはずされた。なお,西山形の
中屋敷地区であるが,8月中に
広域環境事務組合の職員と市の職員が,地元の代表者数人に集まっていただいて,説明を行いながら,地区の意向について打診を行っている。ところが,あくまでも三役の段階で留まるという状況にあったようで,
中屋敷地区が
候補地に絞り込まれるような段階になったときに地元に落とすという考えであったと聞いている。12月の初めにも西山形の方に,地区代表を始め役員の方々に話しに行っている。だいぶ多くの方が集まったということを聞いているが,まだ末端までは下ろされてないという状況にあるようである。今後,地元の役員の方々の進め方,考えをお聞きしながら,なおかつ浸透させるべく努力はしていきたい。
○議員
候補地別概況に基づく評価結果,そしてその後に,それぞれの状況判断をして選んだ結果とが違った状況というふうに新聞に出ている。そのように異なった評価が出たときに,最終的な決め手という部分を透明な,公平なやり方でしてもらわないと,最初に場所選定があって,その場所選定に限りなく近づけるための
環境づくりをされるなどというふうになれば,大変な結果になるだろうと危惧するので,そういうことがないような
取り組みをしてもらわなければならない。数字的な
マジックなんていう言葉は不適当である。
マジックなんて無いんだ,ここに出ている評価が全てというふうにして決めていかないと駄目である。今までも不透明なやり方があったわけなので,ぜひそういうことがないようにしてもらわなければならない。もう一つは,今回のこの下ろし方については
広域環境事務組合が責任を持ってやるということで,地区的な
取り組みをやってるというが,やりようがなかった。確かに3地区は要望しているのでそれなりの
取り組みをやっているが,どういう概要か,いくらの金を掛けるか,そして環境整備はどうするかというのは今からの話になってくる。だとすれば,またその結果によっては住民の理解度が違うという要素が足されて,さらに新たにまた評価を作って最終的な判断とするのか。それと同時に,3月末という限られた時間の中で果たして決めることが可能なのか。今までの説明では理解できないので,再度説明いただきたい。
○
環境部長 ここにある報告書に添付された資料は,二市二町から選ばれた市民・有識者の代表の方々によって付されたものであり,若干,土地勘のない方もいると思う。そういう点で,
検討会で十分,各
候補地,各項目について協議されて,最終的な微調整が図られて,総合的な判断で,大多数の合意によって選ばれたと理解している。
○議員
検討委員は,環境行政についてエキスパートな方々だけではなく,いろんなジャンルの人が選ばれて,それぞれ持っている知識の中で与えられた資料なり現地視察をもとに評価をしたので,我々は
検討委員が出した結果をそれなりに評価している。最終的に決める際には,最もわかりやすいやり方をしてもらわないと駄目である。今の状況で,果たして公平公正,ガラス張りの中で決められたと確証が持てるのか。
○市長 選定するのは
環境部長ではなく管理者組合であり,権限は我々に移る。それから,
検討会は各首長が選んだ方々が委員になっているで,非常に権威のあるものであることを理解願いたい。そして,我々は最後まで透明性を重視してやっていく。権威ある
検討会に任せて3つの
候補地に絞られたわけなので,3つどこも駄目ならまた別のところとなるかもわからないが,その3つを対象にしていって,年度内に1カ所を決めていきたいと考えている。
○議員 事業費に基づく評価表というのがあるが,ここの金額を公開しない理由は何か。
○
環境部長 候補地が決まると即座にアセスの調査なり土地の測量,地質調査などの事業に取り掛かることになる。当然その費用の概算見積もりが実はこの表に隠されていたわけで,これを公開するということは入札に差し支えがあるので,公開を控えさせていただく。これは
検討会の委員長からの申し送りでもある。
○議員 別紙2の
候補地別概況に基づく評価結果と,別紙3の事業費に基づく評価表の2枚を踏まえて,さらにもう1枚最終的な評価というのは出るのか。
○
環境部長 あくまでもこの報告書を基本にしながら,今後も協議がなされると思うが,最終的な結果については,わかりやすい形で出るのではないかと思う。
○議員 最終的に決まった段階では,別紙3の資料というのは表に出るものなのか。
○
環境部長 これまでも
検討会は公開でやってきており,今後の
管理者会議についても,冒頭で公開の方法を決めるわけであるが,方針として公開でやるというふうになっているので,マスコミも傍聴者もいる前での議論になるわけなので,その表が出る出ないに関わらず,その議論の中で全てのものが透明な形で公開されるということになる。これまでの
検討会についても同じである。
○議員 今回はずれた地区があるが,そこに対する返事はどのような方法でなされたのか。
○
環境部長 検討会で決定されたあと,一週間ぐらいの間に各地区に行って,代表の方々と会ってはずれた理由等を申し上げて理解していただき,納得していただいた。
○議員
候補地が3カ所に絞られ,来年の3月までに決めるということであるが,それまでに土地収用事業までやれるのか。
○
環境部長 来年3月までに
候補地を決めるということであって,実際の地元との交渉はその後になるわけである。土地収用法なりは,実際の売買行為,そういった開発行為が行われる際に執行されるものであるので,強制執行する手段は考えていない。
6.山形市
土地開発公社に対する
債務保証の状況等について
建設部長から,
別紙資料に基づき,次のような報告があった。
[
報告概要]
平成12年8月31日現在の
債務保証額は149億1,210万5,000円であった。その後,9月1日から11月30日までに4億5,585万1,000円を新たに借入し,3億1,084万4,000円を償還したので,11月30日現在の
債務保証額,つまり借入額は150億5,711万2,000円となっている。
この期間に
債務保証を行った事業について,借入のあった事業は,蔵王産業団地造成事業ほか9件で,償還のあった事業は,十日町
土地区画整理事業ほか1件である。
次に12月1日から平成13年2月28日までの
債務保証の増減見込額について,この期間に借入を見込んでいる事業は,ニュータウン周辺環境保全林整備事業の1件で,2億6,081万8,000円を見込んでいる。
また,償還を見込んでいる事業は十日町区画整理事業の1件で,2,293万6,000円を見込んでいる。したがって,平成13年2月28日までの借入金総額は,152億9,499万4,000円となる見込みであり,これは山形市
土地開発公社に対する
債務保証限度額250億円の範囲内である。
7.
山形ニュータウン地区土地区画整理事業について
都市開発部長から,
別紙資料に基づき,次のような報告があった。
[
報告概要]
ニュータウンの事業用地については,平成9年度から買収を進めてきたが,今般,一定の進ちょくをみたことなどから,公団では建設大臣に対して12月13日,
土地区画整理事業の認可申請を行った。現在の契約状況は,面積では全体で96%,山形市分は97%が契約済みとなっており,現在も鋭意交渉を続けている。
事業の名称は「山形広域都市計画事業
山形ニュータウン地区土地区画整理事業」,施行者は「地域振興整備事業団」となる。施行地区は,山形市及び上山市の約171haとなり,山形市域が約137ha,上山市域が約34haである。
道路・公園等の公共用地については約29%,宅地については約71%で,うち保留地については約34%の割合となっている。
減歩率は平均で61.53%になる。内訳は,公共減歩が25.67%,保留地減歩が35.86%である。計画人口は約7,000人,戸数は約1,700戸を計画している。
総事業費は317億6,900万円である。事業施行期間は,事業計画認可公告日から平成22年度,平成23年3月31日までの10年間である。その後,5年間,平成28年3月31日までは清算事務の期間になる。
区画整理区域内の公共施設整備計画概要について,道路計画は,幹線道路が(都)上山山形西天童線ほか3路線で,補助幹線道路,区画道路等を含め総延長約31kmである。公園緑地は近隣公園2カ所,街区公園7カ所など総面積9.3ha,河川水路については,不動川は河川改修を予定し,雨水調整池を2カ所設置する計画となっている。
なお,住宅地の分譲単価は,地域公団の事務所では極めて大まかなものであるとの前提で坪15万円から17万円を想定している旨伺っている。
今後のスケジュールについては,区画整理事業の認可を待て,13年度には工事に着手して,15年春に第1期の分譲を,というのが現在予定しているところである。
○議員 人口がこれからは減少していくだろうということで,この計画の途中見直しはあり得るのか。また,中核施設について,今わかる範囲内で計画をお聞きしたい。
○都市開発部長 人口増は県全体では鈍っているが,その中で世帯数は伸びている。この計画でも山形市の人口が平成17年度に27万人というのを基礎にした計画を考えている。その中で事業に着手するわけであるが,具体的な住宅需要などをみると,ここ10年の統計をみても年間約1,000戸ほどが新規住宅として建てられている。その1,000戸を分析すると約9割が市街化区域内で建てられており,さらにその中で約7割が区画整理事業地内での住宅新築と考えると,まだまだ需要が見込まれると思われるので,現在のところ,今の計画でいけるのではないかと考えている。もちろん,この事業については用地全面買収の方式でやっているので,こういう計画でいくということで理解願いたい。なお,中核施設については,山形県も山形市もまだ明確に公表はしていないが,山形県ではミュージアムのような文化関連施設を想定しており,山形市では体育コミュニティ関連の施設ということで位置付けて検討しているところである。今後,もっといいものがあれば,さらに検討して加えていきたいと考えている。
○議員 現在も東青田,嶋等で区画整理が行われているが,今後の状況はどうか。また,さらに西部の開発もあり,多少広い目で見ると田園定住区も入ってくるが,それらにより住宅地がそれなりに供給なってくる。それらとの整合性はどうなのか。
○都市開発部長 昭和45年に都市計画決定した時点の人口程度は,周辺集落でも拡大しようということで,その当時の人口が約4万8,000人であったが,今現在4万5,000人程度なので,約3,000人程度はこれから西部の周辺集落で人口増を図ってもいい人口だと理解しており,これに対応する住宅程度が今後10年間での周辺集落での地域開発であると理解している。あくまでも市街化区域内を想定した人口と調整区域内の人口増も3,000人程度みての計画である。今の計画でいって,区画整理の供給実績も計画よりやや下回る程度で今のところ順調に推移しているので,山形市の場合,もう少し住宅需要が期待できるという見方をしている。当然,ニュータウンについては市内だけでなく,市外あるいは県外からもある程度の割合を見込んで,魅力ある
まちづくりをしていきたいということで,公団,県とともに研究しており,工夫をしていきたい。
○議員 27万人という数字を一つの目安にしているが,必ずしも昨今の状況をみると果たして27万人という自然増を計画していいのかを,基本計画にしてもニュータウンにしても十分検討しながら進めていってもらいたい。
○議員 この計画そのものはバブルの時の計画であり,どんどん伸びていくというもとに計画されたということが問題である。部長が言うようにここ10年間にいくら伸びてきたというデータではいかない。公園や学校や周辺緑地など,大変な金が掛かるということで,今の現況を踏まえて,いかに金を掛けないでできるかという,見直しをできるところは最大限見直ししていかなければ大変事態になるということを指摘しておく。
8.平成11年度
最上川中部水道企業団事業報告について
水道部長から,
別紙資料に基づき,次のような報告があった。
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報告概要]
給水戸数,給水区域内人口及び給水人口については,業務概要に記載のとおりであるが,前年に比べ,給水戸数,給水人口ともそれぞれ増加している。普及率については0.2%増加し,94.7%となっている。
また,年間の取水量,受水量,給水量及び有収水量については,業務概要に記載のとおりであるが,有収率は前年に比べ0.3%減の85.5%となっている。
次に,経営状況については,当初予算において32万9,000円の損失を計上していたが,経費の節減及び高料金対策補助金等により,結果的には1,937万2,442円の純利益となっている。次に,収益的収入は8億4,803万3,124円,支出は8億2,080万2,367円である。
資本的収入は2億981万8,800円,支出は3億5,595万7,314円となり,1億4,613万8,514円の不足を生じたが,当年度分損益勘定留保資金,当年度分消費税及び地方消費税,資本的収支調整額,建設改良積立金で補てんしている。
次に,工事については,本年度の建設改良工事の総額は2億2,434万9,229円である。また,下水道事業に伴う水道管移設工事としては,延長1,536mを施工している。
なお,決算については,9月26日の企業団議会で認定されている。
9.山形・
吉林友好会館竣工式典山形市
代表訪問団の報告について
市長から,次のような報告があった。
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報告概要]
9月25日から10月3日まで「山形・吉林友好会館」竣工式典に出席するため,友好姉妹都市である中華人民共和国吉林市を訪問した。
代表団は,議会代表である
中村幸雄議長,深瀬悦男議員,阿部喜之助議員を含めた12名である。
以下,公式行事関係の日程に従い報告する。
9月25日,皆さまの見送りを受け,山形駅を出発した。その後,成田空港を出発し,同日夜に大連空港に到着した。
翌26日の午前中は,大連市内の経済技術開発区を視察した。同開発区では,外国の企業に対して税制上の優遇措置を講じていることから,多くの外国企業の立地が見られ,中には日本企業も立地しており,大連での開発の勢いを感じた。大連経済の20%を日本の進出企業が持っていると聞き,むべなるかなと思った。
午後には大連空港を出発し,長春空港に到着したが,そこからは吉林市人民政府の出迎えを受け,同市が用意したバスで吉林市に向かい,夕方,市内のホテルに到着した。
その日の夜,本市からは教育長,産業部長が,吉林市側からは教育と経済に関する幹部が出席し,両市の人と産業の交流に関して協議した。この協議の中で,教育長からは,人の交流として,若い人を中心にした留学生の受け入れについて考えがあることを伝えた。吉林市側からは,両市の産業交流として,吉林市内にある経済技術開発区の整備状況と立地条件について説明があった。
翌27日は,「山形・吉林友好会館」において,王照環吉林市長との会談の後,「日本国山形市と中華人民共和国吉林市の人と産業の交流に関する協定書」を取り交わした。
友好会館入口の道路に「山形・吉林友好会館」という石づくりの定礎が建立されていたが,感無量であった。
その後,友好会館の玄関前で竣工式典が行われた。竣工式典には,地元の中学生をはじめとする多くの吉林市民が参加し,盛大に行われた。大変立派な友好会館での記念行事に参加し,感慨深いものがあった。昼には,吉林市主催の歓迎会が行われ,また,夜には本市主催の答礼パーティーを行ったが,吉林市側からは王市長,人民大会主任の李万良氏,副市長の姜樹君氏など多くの関係者が出席された。パーティーでは王市長から,「これからは“古い友達”です」と,大変ありがたい言葉をいただき,なごやかな雰囲気のうちに,両市の友好を深めてきた。
この中で,山形市で12月31日に実施する「新世紀やま
がた創造イベント」に王市長を始めとする皆さんを招待したが,残念ながら,都合がつかず欠席との返事をいただいている。
翌28日は,長春市にいる吉林省副省長の魏敏学氏を訪れた。魏副省長からは,わざわざ昼に,特別貴賓室で歓迎の宴席でもてなしを受け,大変感謝をした。魏副省長は,以前吉林市の市長で,山形市の特別名誉市民でもあり,今でも両市の関係に強い関心を持っていた。これからも両市の交流に一層の支援をいただくようお願いをしてきた。
翌29日からは,桂林,西安の各都市を訪問した。その中では,歴史や自然を大切にする中国の人々の深い思いや,日常生活に見る活気と力強いエネルギーを感じ取った。また,自然の造形と雄大さに接し,大変驚いた。特に,西安の兵馬俑博物館では,名誉館長の袁仲一氏が病気を押して出席され,中国歴史についての話をしてくれた。その話を通じ,歴史に対する思いの深さを改めて感じた。
これらの日程をこなし,10月3日無事日本に到着した。
10.
東北市議会議長会主催の
海外行政産業視察の報告について
渡辺弥寿雄議員から,次のような報告があった。
[
報告概要]
平成12年度の東北市議会議長会の
海外行政産業視察団の一員として,去る10月12日から23日までの12日間,ドイツ,デンマーク,イギリス,フランスのヨーロッパ主要4カ国の歴史と文化に接する機会を与えていただいたことに感謝を申し上げる。
まず,最初の訪問国ドイツでは,人間,自然,技術をテーマに史上最も多い191カ国と機関が集結し,人間が自然と共存するために,どのように技術を利用していくかを表現したハノーバー万博を視察した。環境リサイクルをテーマにした紙のパビリオン日本館は,長蛇の列であった。
福祉の国デンマークでは,充実した介護士の養成学校と無料の特別養護老人ホームを見聞してきた。イギリスでは,自治体国際協会で,イギリスの地方自治と地方
行財政改革について受講し,フランスでは,国内初めて
市政運営にインターネットを取り入れたイッシー市を訪問し,インターネット用のターミナル議会や行政の窓口,駅,ショッピングモール等の施設を視察したもので,市民の日常生活における高度情報化の普及に努めているところを見てきた。
ルーブル美術館では,歴史を感じさせる荘厳で,見事な建築物,重厚な彫刻や絵画に出会い,圧倒されんばかりの感動を覚え,さすがに芸術の都パリを肌で感じてきた。
これらのことについては,今後,議会や議員活動の中で生かしていきたいと思う。
11.
全国市議会議長会主催の米国・
カナダ都市行政調査の報告について
宝沢啓輝議員から,次のような報告があった。
[
報告概要]
平成12年度
全国市議会議長会主催による米国・
カナダ都市行政調査団に議員各位の理解をもらい,酒井靖悦議員と私が参加した。その概要について報告する
調査団は,全国市議会から39名,山形県からは酒井議員と私の2名であった。視察期間は10月17日から28日までの13日間の予定であったが,最後の日に,シアトル空港で航空機のトラブルがあり,1日そこに滞在して,結局14日間の視察になった。
訪問先は,米国は,シカゴ,ワシントン,ゲーサーズバーク,ニューヨーク,シアトル,カナダのバンクーバー,リッチモンドの各都市である。
シカゴでは養護療養施設,ワシントンでは日本大使館を公式訪問,ゲーサーズバークとカナダのリッチモンド市では地方都市の自治制度,議会運営の実態を,ニューヨークでは公園整備と環境問題,さらに
中心市街地マンハッタンの再開発について,バンクーバー,シアトルでは都市環境,リサイクル問題について,各都市の市長並びに関係者と意見を交換しながら,調査をしてきた。
この中でアメリカの高齢者施策と,両国の地方自治制度,議会運営について,触れたいと思う。
シカゴで視察した養護療養施設は,米国のほとんどのこの種の施設と同じように,日本の特別養護老人ホームと老健施設をあわせたような施設であり,入所者,通所者とも患者と言う名称で呼ばれているが,異民族で構成された国のために,サービスも8つの国も言葉で対応し,食事のメニューなども同じであった。この中で変わってるなと思ったのは,ペットショップあるいは動物園と提携して,ペットによるカウンセルなどの治療を行っているということであった。利用者の負担の問題は,言うまでもなく,アメリカでやっている,MEDI-CARE,MEDI-CADE。MEDI-CAREは日本の
介護保険に似たような制度であり,個人の負担による保険,それからMEDI-CADEは低所得者を対象にして,国で公費で負担をする制度である。ただし,これには保有財産あるいは所得に規制があって,少しでも保有財産があれば該当しないという制度である。いずれにしてもこのような2つの方法で支払いをしているということである。これはアメリカのほとんどがそうであるが,運営は全部民間である。ただし,土地と建物は行政のほうで提供する。米国も日本ほどではないが,高齢化が進んでいた。ただ日本と違って,老後を子供たちと一緒に暮している,子供たちから介護をしてもらっている人は5%~10%と,日本の60%と比べると,格段の違いがあると認識してきた。事実,廊下で休んでいた入所者の6,7人に,「あなた方はいずれここを出て家庭で介護を受ける,または,療養する気はありませんか」と聞いたら,全員から「NO」という答えが出た。これはやはり,アメリカのおいてボランティアが非常に発達しているということと,自主独立というか,自分のことは自分でやるという,1つの国民精神のあらわれではないかと感心してきた次第である。
次に,ゲーサーズバーク市議会の運営についてであるが,この市の人口は5万であった。米国では100万の人口を超える大都市は6つしかないようだ。ほとんど10万程度の人口の都市が多い。5万の人口の都市は,アメリカあるいはカナダの典型的な地方都市の実態であるという話であった。市制の施行も日本のように厳しい規制はなく,例えば,人口1,000人とか1,500人の町でも市になり得るという話であった。その中で,私どもが行った市は,市長,それから市議会,公選による市長と市議会が任命する市の支配人または副支配人というふうな制度で運営されているようだ。市長は本当は私達の常識で言えば行政の最高の機関であるが,向うでは,支配人が行政の責務にあたる。市長としての責務は,いろいろあるが,市長と議長は兼務する。ただし市長には議決権がないというようなことである。その中で,この議会は,この
委員会室程度のスペースの議場である。私どものように,執行部と議員が対面するのではなく,こちらのほうに座るのは,市長,支配人,副支配人。議員は定数が5人であるが,5名のうち3名が女性議員であった。5名の議員の中の委員会があって,その委員長さん2人くらいがそこに座る。それから弁護人も座る。そして向かい合うのが全部市民である。私どもの議場と反対で,議会とか市長とか支配人とかが座る壇上のスペースが5,6人なので非常に狭い。傍聴席が非常に広い。傍聴席の真ん中にマイクがあって,それで市民は自由に発言することができる。ただし時間が制限される。しかも,その模様は全部無編集で各家庭にケーブルテレビを通じて公開される。このケーブルテレビの視聴率は80%を超えているということであった。従って,市民の市政に対する認識・理解はきわめて高いというふうに理解してきた。これは,もう1点にカナダのリッチモンドという市を訪れたが,人口も,やり方も,ケーブルテレビによる公開もみな同じである。聞いたところ,アメリカ・カナダはケーブルテレビによる公開をやっているとのことであった。
その他いろいろあるが,詳細については各会派に報告書を差し上げているので参考にしてもらえればありがたい。
私どもの国と国情あるいは生活様式がほとんど違うアメリカ・カナダであるので,100%参考にはならないが,できるだけ私どもが見てきた,聞いてきた,体験してきたことを参考にして市政の発展に役立てさせていきたい。
最後に,酒井議員ともども,中村議長はじめ議員各位のご理解をもらい,訪問させてもらったことを深く感謝して報告とする。...